板って漢字で書きなさい

オシャレなインテリアの話は書いてません。家具屋さん、インテリアショップに行く前に知っておくと安心

価格と良さは比例しない

お店でもWEBでも「なんとなく似てるのに、3倍も金額の違うソファ」や「パッと見も素材表記も同じなのに金額が違うテーブル」に出くわします。

お店でも「なんでこんなに高いの?」は毎日聞かれる質問です。

今日はそんな疑問にお答えします。


プロフィールはこちら↓

aomaaoma.hatenablog.com



f:id:aomaaoma:20180902165149j:plain




冒頭の通り、家具の価格設定っていまいちよくわからないもの。家具が好きな人や従事者であればその差は歴然ですが、いざ買い揃えようと思うとわからんちんなことだらけ。

今回は価格の大まかな理由と手に入れた後の違いについて

※てっとり早く知りたい方はまとめへ

値差の理由

「デザインでしょ?」「いやいや作ってる場所(生産国)だろ」「そうはいってもブランドなんじゃないの?」

ん~ どれも多少は影響あると思います。

もちろん大量に生産したり、特殊な仕入れを起こしていたり、企業努力でコストを抑えているメーカーさんは数多くありますが、私はこの二点が価格に影響していると考えています。

  家具の価格 =  材料代 x 手間(技術)代 +サービス料(配送費や保証料) 

配送費無料や保証料無料はおそらく販売時の価格に数%含まれているかと。逆に配送費をきちんと請求する会社はこの部分が素直な価格設定になっています。


素材の話

わかりやすいのが素材の価格

ここで簡単な質問をします。この二つどちらがお高いでしょうか?

本革 VS 合成皮革※(ビニールレザー)
どなたでもわかるとおり価格が安いのは「合成皮革」
(※最近は本当に質が上がっているのでなかなか見分けがつかない)


羽毛 VS ポリわた(ポリエステル製のわた)

同量の場合「羽毛」の方が高いですね。


無垢の木材 VS 木目調シート

これも簡単、「無垢の木材」の方が高い


ここでもう一つ質問です。上記の三点に共通することが一つあります。 それはなんでしょう?


と、唐突に聞かれても 「…… 」  ですよね。

金額の高いものは「自然物」価格を抑えたものはそれに似せる「人工物」


本革も、羽毛も、無垢の木材も「自然物」なので獲れるまでに時間がかかり、その量にも制限があります。(枯渇するということではなく、そのタイミングで獲れる量が限られる)

人工物の素材はそれらに機能や表情を似せて大量に作られるのでコストを抑えられます。

また、使う量によって商品の価格も変わります。
一人用のものよりも三人用のものの方が材料がたくさん必要ですよね。だから大きいものの方が高い


普段触らないソファの裏側(背面)や側面をビニールレザーにして、触る部分を本革にして価格を抑えたソファは本革総張りよりも安く作れます。
本革とビニールレザーを併用したものを、コンビレザーといいます。


価格の違いのひとつは「素材の価格」  お分かりいただけたでしょうか。


手間(技術)のかけかた

もちろん技術的な面も価格に影響します

上質なコットン(綿)でできた糸の太いもの、細いものを織り交ぜたり、色数多く織り上げた布地は高くなります。

また熟練の職人が木組みする枠や、機械作業、手作用を繰り返して磨き上げる表面仕上げは設備費用、人件費やそれまでの研究費手間をかければかけるほど製品の価格は上がっていきます。

価格を抑えるために「大量生産」することもありますが、サイズや選べる色に制限があります。

オーダー家具は大量に作れないので価格は上がりますが、都度手間をかけて作られます。

それはひとえに「良いものをつくろう」「こだわったものづくりをしよう」というメーカーの努力の結果必要な経費なんです。



わかりやすいのが「曲線で切られた板」

たまに見かける曲線を活かしたテーブル。同じサイズの長方形と比べるときっと価格が高いはず。

のこぎりってまっすぐに切るのが得意です。

板を直線で切って削り落とすのか、曲線に走る特殊なのこぎりを使うのか。いずれにしても手間がかかっていそうなのは想像できます。


デザイナーものが高くなってしまうのはデザインの再現をするために手間が多くかかってしまったり、技術的に難度の高いものになってしまい手間代が大きくなる傾向にあります。


やはり手間(技術)代も価格に影響があります。

価格の高い上質な素材を惜しげもない技術力で磨き上げれば掛け算で価格が高くなっていきます。


寿命のお話

っで?価格の違いは分かったけど、買った後どう違うの??

ズバリ、寿命です。

家具って機械ではないのでいきなり壊れることはほとんどありません。(無茶な使い方をしなければ…)

残念ですが、いずれはダメになります。本革もひび割れるし、表面剥離します。板も汚れがひどくなったり、焦げ付いたりします。

が、価格の高い素材は修理しやすく作られていたり、替えが効くようになっているものがほとんどです。


また、質の高い素材は堅い、強い、しなやかなど素材寿命の長いものがほとんど。それらに手間をかけて壊れにくくしたり、汚れにくく処置したりすると寿命は長くなります。


安いものと高いものを比べると高いものの方が寿命が長いのです。


とはいえ、価格が高いから「良いもの」「使い勝手がいいもの」というわけでばありません。

「高かったのに使いにくい」なんて残念、本当に残念。

お店で触れて、座って、価格の理由にも納得してもらえると失敗を遠ざけます。
ぜひお店で確認してみてください。

まとめ

・家具の価格 =  材料代 x 手間(技術)代 +サービス料(配送費や保証料) 
・価格は寿命に影響する

良いお買い物になることを願っています。